環境デュー・ディリジェンス(以下環境DD)とは、企業のバリュー・チェーン全体にわたる環境面でのリスクマネジメントのことです。
自社の事業活動だけでなく、サプライチェーンなどの広範なビジネス上の関係において、環境に対する負の影響を把握し、それらを予防・軽減するための取り組みを指します。
■今「環境デュー・ディリジェンス」が注目される背景
欧州のCSDDD、CSRD/ESRSなどの法規制をはじめとして、「自社だけでなくサプライチェーン全体の環境リスクを把握すること」が求められるようになっているからです 。
国内でも環境省が2019年に「環境デュー・ディリジェンス検討会」を設置し下記資料などが公表されています。
2020年8月「バリューチェーンにおける 環境デュー・ディリジェンス入門」
2026年6月「バリューチェーンにおける環境デュー・ディリジェンスの実践」
前者は「環境DDに関する理解を深める上での 汎用的・啓発的な実務書 」として、後者は多くの企業が直面する課題に焦点をあて、「日本企業が実際に環境デュー・ディリジェンスの取組を進める際の参考」となるよう実践面に重点を置いて作成されたものです。
■主なプロセス
実効的な環境DDを実施するためには、現場任せにするのではなく、経営層が関与し、部門横断的な組織体制が不可欠とされています。
具体的なプロセスとして、以下が示されています。
経営層による理解と体制を構築する
負の影響・リスクを特定し、評価する
負の影響・リスクの予防措置、軽減策をとる
実施状況と結果をモニタリングする
取り組みの状況について開示する
環境デュー・ディリジェンスにおける重要な考え方
リスクベースのアプローチ:バリューチェーン上のすべてのリスクに同時に対処することが困難な場合、負の影響の「深刻性」と「発生可能性」に基づいて優先順位を決定し、影響がより重大なリスクから対応することが原則となります。
環境と人権の統合的対応:深刻な環境危機は人権に負の影響を及ぼす場合があるため、環境問題と人権問題を切り離さず、両者にまたがるリスクとして統合的に対応していくことが重要視されています。
■企業への影響
環境デュー・ディリジェンスの実施が求められる企業は、バリューチェーンでの環境リスクが心配な企業です。特に大企業と取引があり、今後(既に)環境面でのリスク調査が求められる企業は、対応が必要になります。
まずは自社が誰から何を買い、どうやって製品をつくっているかという「つながり(バリューチェーン)」を確認してみてはいかがでしょうか。
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