公開日:2025.10.28
最終更新日:2025.10.28

次年度の報告書制作に向けた「振り返り会」のススメ

はじめに

サステナビリティレポートや統合報告書は、企業が一年間の活動成果をステークホルダーに共有するための重要なツールとなっています。

その発行までには、膨大な情報の収集、各部署との連携、度重なる修正といったプロセスを経ます。今年度達成できたこと、できなかったこと、新たに課題として浮かび上がってきたことなど、記憶が新しいうちに社内で共有しておくことで、次年度の情報開示の充実、制作プロセスの改善などにつながります。

その共有の場となるのが、関係者による「振り返り会」です。

本記事では、次年度のレポート作成に向けた「振り返り会」のメリット、そして具体的な実施内容についてご紹介します。


そもそも振り返り会とは

「振り返り会」とは、その名の通り、サステナビリティレポートや統合報告書の発行後、作成に関わった社内外のメンバーが一堂に会し、一連のプロセスや成果物について多角的に評価し、次年度に向けた改善点や学びを共有する場のことです。

これは、単なる「反省会」ではなく、制作のプロセスや構成、内容といったレポート制作の要素ごとに良かった点や改善すべき点を話し合い、次年度の制作をよりスムーズに進めるための、対話の場と捉えることが重要です。

参加者は、サステナビリティ担当部署はもちろん、可能であれば原稿作成などに協力してくれた経営企画、広報・IR、人事、環境、法務など、部門を横断して招集することが成功の鍵となります。「レポートプロジェクトチーム」などのチームが組織されている場合は、そのメンバーが参加します。


振り返り会のメリット

振り返り会を実施することで、以下のようなメリットが期待できます。

1.制作プロセスの標準化

報告書制作の過程はさまざまな意思決定の連続です。検討事項が生じる度に、必要な情報を集めて検討し、判断するというプロセスを繰り返します。

振り返り会を通じて、この判断の基準や必要だった情報の収集方法といった、担当者の「暗黙知」ともいえる事柄を記録し共有しておくことができます。

次年度以降の判断基準が統一されることで、業務の属人化を防ぎ、担当者の異動等があってもレポートの品質を維持・向上させることが可能となります。

2.部門横断的な連携体制の強化

各部門の担当者が制作過程での課題や成果を共有することで、相互理解が深まります。これは、サステナビリティ経営が一部門の取り組みではなく、全社的な活動であるという認識を醸成し、次年度以降のより円滑な情報収集・連携体制の基盤を構築します。

3.次年度企画・制作の効率化

上記2つのメリットにも通じますが、「このグラフは分かりにくかった」「もっとこの活動をアピールすべきだった」「表記統一のタイミングを決めておくべきだった」など、作成プロセスに関わったからこそ気づく具体的な改善案を洗い出し、次年度の構成や表現に活かすことができます。

また、「来年はこういう要素を取り入れたい」「こんな企画をやりたい」というものがある場合、次年度のキックオフを待たずに共有しておけると、制作プロセスもスムーズになります。


これだけは押さえたい! 振り返るべき2つの要素

1.制作プロセス

レポート制作には、多岐にわたる部署が関わります。外部の専門家や制作委託先も関わるため、制作プロセスを見直すことは非常に重要です。

プロセス面で特に確認しておきたいポイントとしては、例えば下記があります。

  • スケジュール: スタート時期や進捗管理は適切であったか、経営層が確認する期間を確保できていたかなど

  • 情報収集のフロー: 各部門への依頼内容、依頼方法、収集したデータの品質、締切が守られていたかなど

  • コミュニケーション:経営層との連携方法、部門間の意思疎通、外部の専門家や制作委託先との連携は円滑であったか、何か問題がなかったかなど

2.開示内容

発行した報告書の内容や構成についても、評価し共有します。毎年特定の報告フレームワークに沿って評価する場合もあります。

内容面で特に確認しておきたいポイントとしては、例えば下記があります。

  • 媒体のターゲット:メインとなる読者を明確に設定し、その読者にとって有用な情報を特定できていたかなど

  • コンテンツの妥当性: トップメッセージの訴求力や、マテリアリティ(重要課題)の特定プロセスの適切性、KPIの整合性、具体的取り組みが十分に開示できたかなど

  • 構成・表現: 全体を通じたストーリーに一貫性があるか、専門用語が解説されているか、図表やグラフはわかりやすいかなど

  • データ開示: 特に定量データの正確性、網羅性、経年での比較可能性は担保されているかなど

これらはあくまで例であり、媒体によって確認すべき視点は異なりますが、「プロセスと開示内容」を確認するのは、どの媒体でも共通です。


振り返りこそが、次年度の発行に向けた第一歩

ここまで紹介してきたように、振り返り会は次年度への改善に向けた重要な情報共有の場です。発行後、あまり時間を空けずに実施することで、関係者の記憶が新しいうちに課題や成果を整理できます。確実に実施するために、あらかじめ制作スケジュールに組み込んでおくのもおすすめです。

こうした改善を積み重ねていくことで、サステナビリティレポートや統合報告書のレベルが向上していきます。最初からここであげたものすべてをやりきる必要はありません。制作同様、YUIDEAでもサポートいたします。まだ予定されていない場合は、いくつかの項目だけでもよいので、一度検討してみてはいかがでしょうか。



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【参考記事】


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