公開日:
最終更新日:
EU、非EU企業向け基準延期と中小企業の開示支援

サステナビリティに関する情報開示は、企業経営においてますます重要なテーマになっています。特にEUでは、企業サステナビリティ報告指令(CSRD)が企業に対して詳細な開示を求めており、日本企業を含むEU域外の地域に本社をおく「非EU企業」にも影響が及びます。
欧州委員会は2025年10月、非EU企業向けサステナビリティ報告基準(以下、NESRS)の採択を延期することを発表しました。一方で、中小企業が自主的に報告するための支援は進んでいます。本記事では、これらの動きについて分かりやすく解説します。
非EU企業向け基準、さらに延期
2025年10月、欧州委員会は規制の簡素化と企業の負担軽減を目的とした「オムニバス法案」に関連して、115件の法案の優先度を下げ、採択時期を2027年10月以降に延期すると発表しました。
この中には、NESRSも含まれています。NESRSはもともと2026年に採択予定でしたが、今回の決定によりさらに遅れることになりました。
背景には、米国との貿易関係への配慮や、EU内の規制過多への懸念があります。今回の延期により、非EU企業は一時的な猶予ができることになりますが、あくまで関連法案の採択延期であり、CSRDという基本法自体は有効です。
De-prioritisation of Level 2 acts in financial services legislation - Finance
非上場の中小企業向けの報告基準と支援ツール
一方で、2024年12月にEFRAGが提出し、2025年7月に欧州委員会で採択された非上場の中小企業向け任意報告基準「Voluntary SME Standard」(以下、VSME)の活用を後押しする取り組みが進んでいます。
2025年9月、EFRAGはVSMEの普及を目的とした2つの報告書を公表しました。これは、中小企業が報告コストを抑えてサステナビリティ情報を開示できる環境整備を目的としたものです。
1つ目は、温室効果ガス(GHG)排出量の算定に利用できるデジタルツール約100種類を整理・分析し、GHG計算や位置情報活用などの実務的な機能を比較したものです。
2つ目は、サステナビリティ報告を支援する223のプラットフォームやイニシアティブを紹介し、VSMEとの整合性を評価した主要プラットフォームの特徴をまとめています。

日本企業の対応と今後の準備
NESRSが延期になったとはいえ、すでにESRSを踏まえて影響・リスク・機会(IRO)を開示したり、ダブルマテリアリティの特定に取り組む日本企業が増えています。
NESRSの延期は一時的な猶予にすぎません。VSMEの活用は支援されていることからも、グループ全体のみならずサプライチェーン全体のサステナビリティを進めることが期待されています。
【関連記事】
Mail
Magazine
-メールマガジン-
サステナビリティ推進に役立つ
ニュース・セミナー情報を配信中
無料会員登録はこちら
人気記事


New articles
新着記事
Pickup
人気の記事

お役立ち情報
オンライン版統合報告書とは?メリット・デメリットと3パターンの企業事例
#統合報告書
#優良事例
#評価機関対応
#サステナビリティ開示
#マテリアリティ
#ステークホルダー

キーワード解説
Dow Jones Best-in-Class Index (旧DJSI、Dow...
#評価機関対応

お役立ち情報
サステナビリティ情報開示における「インパクト」とは?開示のメリットと最初にすべき...
#サステナビリティ開示
#ESRS・CSRD
#マテリアリティ
#統合報告書

お役立ち情報
人的資本を例にした媒体ごとの棲み分け事例
#マテリアリティ
#統合報告書
#サステナビリティ開示
#人的資本





