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WBCSDが「Reporting Matters 2025」を公表。調査結果と評価フレームワークを解説

WBCSD(持続可能な開発のための世界経済人会議)は11月4日、WBCSD会員企業を中心に185のサステナビリティ報告書を詳細に調査したレポート「Reporting Matters 2025」を公表しました。Reporting Mattersの発行は今回で13回目となります。同報告書では、サステナビリティ報告を企業が変革を推進する戦略的ツールとして位置づけ、その実態とサステナビリティ担当者が次に注力すべき課題が明確に示されています。
本記事では、「Reporting Matters 2025」で取り上げられている主な調査結果と、サステナビリティ報告の評価フレームワークについて解説します。
■「Reporting Matters 2025」調査の主な結果
同報告書の調査の主な結果としては、下記の5つが挙げられています。
1.自主的な報告から、法定開示対応へのシフト
調査対象企業の約半数(48%)が、CSRD(企業サステナビリティ報告指令)への対応や準備を進めている一方で、GRIやSASBといった自主的な基準への言及は減少している。
2.財務・非財務情報を統合した報告書への移行が加速
依然として調査対象企業の54%が単独のサステナビリティ報告書を発行している。しかし、法的要件の強化を背景に、財務・非財務情報を統合した報告書が11%増加している。
3.「ダブルマテリアリティ」が新たな標準に
調査対象企業の83%が「ダブルマテリアリティ」を開示しており、前年の77%からさらに増加している。CSRDの影響を受け、対象外の企業でも先進的な手法として採用が広がっている。
4.戦略への統合は進むが、実行段階に課題
調査対象企業の92%がサステナビリティを経営戦略に統合している一方で、実行計画や財務的影響を明確に示している企業は71%にとどまり、戦略と実行の間にギャップが見られる。
5.取締役会レベルでのサステナビリティガバナンスは引き続き重要
調査対象企業の66%が取締役会におけるサステナビリティに関する専門知識や研修の実施について報告し、39%はサステナビリティに関する責任を特定の役員に割り当てている。一方で、経営陣の報酬をサステナビリティ指標と連動させる仕組みの開示は前年比で4%減少し、ESGの取り組みへの反発傾向も一部に見られる。
■「Reporting Matters 2025」における、サステナビリティ報告の評価フレームワーク
「Reporting Matters 2025」では、サステナビリティ報告を包括的に評価するために、原則 (Principles)、内容(Content)、有効性(Effectiveness)の3つの主要カテゴリで構成される評価フレームワークが用いられています。
このフレームワークは、主要なトレンドと先進的な事例を特定し、サステナビリティ報告の実践的なガイダンスを提供することを目的としています。
それぞれの主要カテゴリの概要と評価指標は下記の通りです。
原則(Principles):主要なサステナビリティ報告および報告フレームワークに共通する「報告の基本原則」に基づく評価
完全性(Completeness)
事業環境(Operating context)
マテリアリティ(Materiality)
整合性(Alignment)
ステークホルダーエンゲージメント(Stakeholder engagement)
外部保証(External assurance)
バランス(Balance)
内容(Content):企業が優先的に取り組む重要課題をどのように管理し、報告書内で開示しているかを分析
・ サステナビリティ・ガバナンス(Sustainability governance)
・ 戦略(Strategy)
・ パートナーシップと協働(Partnerships and collaborations)
・ 実施と管理(Implementation and controls)
・ コミットメントと目標(Commitments and targets)
・ パフォーマンス(Performance)
有効性(Effectiveness):企業が専門家および一般読者双方のニーズを満たすために報告書をどのように活用しているかを評価
・ アクセスの容易さ(Ease of access)
・ 魅力的なデザイン(Compelling design)
調査レポートでは、フレームワークを構成する各評価項目について、主要な推奨事項、評価手法、具体的な開示事例が紹介されています。日本企業も複数取り上げられており、完全性(Completeness)ではブリヂストン、戦略(Strategy)では横河電機、パフォーマンス(Performance)ではダイキンが開示事例として掲載されています。

WBCSD Reporting Matters 2025: Embedding change, accelerating impact
WBCSD「Reporting Matters 2025」の活用方法
WBCSDの「Reporting Matters 2025」は、サステナビリティ報告が「変革を加速する戦略的ツール」としての役割を果たすようになってきたことを示しています。また、「Reporting Matters 2025」におけるサステナビリティ報告の評価フレームワークは、多岐にわたる評価項目を採用しており、サステナビリティ情報開示の改善を検討する際に非常に有用な情報となります。
YUIDEAでは、上記の評価フレームワークをもとにサステナビリティ情報開示を分析し、改善案をご提案するサービスを提供可能です。
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