サステナビリティ情報開示における4つのコア・コンテンツとは?有価証券報告書の「サステナビリティに関する考え方及び取組」で開示することになっている「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標及び目標」のことです。2025年3月に「サステナビリティ開示基準」(SSBJ基準)の確定基準が公表されると、今後有価証券報告書で、財務面で重要なサステナビリティのテーマについて、開示することが制度化される見込みです。 サステナビリティページをコア・コンテンツで開示するメリットと課題サステナビリティページをコア・コンテンツで開示するメリットとしては下記が考えられます。SSBJ基準などの、制度開示に備えることができるTCFDやTNFDなど、既に投資家向けに開示している情報と整合性を高めることができ、読者の理解を助けやすくなるTCFD対応の経験を生かし、社内体制の構築や情報収集がスムーズにできる一方次のような課題が残りますウェブサイトの大幅改修による時間とコストがかかる可能性がある他社と共通した構成になるため、独自性を出しにくくなり、差異化ポイントをより詳細に検討する必要がある「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標及び目標」のいずれにも分類しにくい情報の扱いが難しく、それを踏まえた構成の検討が必要となる現在はコア・コンテンツで開示していなくても、このようなメリットや課題を踏まえて、検討されている企業も増えています。サステナビリティページにおけるコア・コンテンツ事例今回は、【最新2024年版】統合報告書・サステナビリティレポートでのコア・コンテンツ事例 に続き、コーポレートサイト内のサステナビリティページにおいて、コア・コンテンツで開示している事例をご紹介します。※ここでご紹介する事例がSSBJ「サステナビリティ開示基準(案)」に準拠していることを保証するわけではありませんのでご注意ください。NEC 「サステナビリティ」ページ①編集方針にはどのように記載されているかサステナビリティページ全体の編集方針は示されていませんが、ESGデータブックの編集方針には、国際的なイニシアティブとの整合を目指し、以下 のガイドラインを参考にサステナビリティの取り組 みを報告しています。また、 ISSBおよびSSBJ草案の 4つの構成要素を参考に、レポートを制作していますとあり、サステナビリティページにおいてもISSB基準およびSSBJ基準草案を参考にされていると推察されます。②どんなテーマをコア・コンテンツで開示しているか環境、社会、ガバナンスのなかで、下表の太字部分をコア・コンテンツで開示しています。③その他の特徴掲載場所に悩むことが多い具体的な取り組みは、「リスク管理(機会含む)」のパートで紹介されています。以前ご紹介した事例では、コア・コンテンツの他に「主な取り組み」という項目を作っていたり、「指標及び目標」のパートで開示していたりしました。今後の対応冒頭でもお伝えした通り、コア・コンテンツでの開示が求められるのは有価証券報告書であり、任意の開示媒体であるサステナビリティページではありません。今後サステナビリティページを、サステナビリティ情報開示のハブのような位置づけにされる場合などは、大幅に改修する可能性があるので早めの対応が必要になります。まずは、有価証券報告書でのサステナビリティ情報開示を見据え、統合報告書や、サステナビリティレポート、サステナビリティページといった、関連媒体の役割や掲載内容を整理されてはいかがでしょうか。 関連記事【最新2024年版】統合報告書・サステナビリティレポートでのコア・コンテンツ事例 キーワード解説「SSBJサステナビリティ開示基準」セミナーアーカイブページ