価値協創ガイダンス2.0Ⅰ. 正式名称価値協創のための統合的開示・対話ガイダンス 2.0-サステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)実現のための価値創造ストーリーの協創– (価値協創ガイダンス 2.0)※サステナビリティ・フォーメーション(SX)とは、社会と企業のサステナビリティをともに実現すること、そのために必要な経営・事業変革(トランスフォーメーション)を指す。Ⅱ. 概要■ 発行者経済産業省■ 目的企業の情報開示や投資家との対話を通じ、企業と投資家がお互いに理解を深め、持続的な価値協創に向けた行動を促進することを目的としている。■ 対象企業:自らの経営理念やビジネスモデル、戦略、ガバナンス等を統合的に投資家に伝える際の手引きとしての活用が期待されている。投資家:中長期的な観点から企業を評価し、投資判断やスチュワードシップ活動に活用することが期待されている。■ 内容価値協創ガイダンスは2017年5月に公表され、2022年8月にサステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)の実現に向けた経営の強化、効果的な情報開示や建設的・実質的な対話を行うためのフレームワークとして、「価値協創ガイダンス2.0」へと改訂された。ガイダンス本編の全体像は下図のようになっている。各項目について「価値協創になぜこの項目が重要なのか」「投資家はどんな情報を求めているのか」「企業はどんな情報を開示すべきか」といった内容が説明されている。改訂の主なポイントは下記のとおり。「長期戦略」を新設TCFD提言における“ガバナンス”、“戦略”、“リスク管理”、“指標と目標”の開示構造との整合性を確保「実行戦略(中期経営戦略など)」を、人的資本への投資や人材戦略の重要性をより強調する構成に変更「実質的な対話・エンゲージメント」を新設■ 沿革・今後2014年伊藤レポート公表2017年価値協創ガイダンス・伊藤レポート2.0公表、経済産業省に「統合報告・ESG対話フォーラム」を設置2018年価値協創ガイダンス解説資料公表2022年価値協創ガイダンス2.0、伊藤レポート3.0(SX版伊藤レポート)公表Ⅲ. 企業の対応世界共通のガイドラインではないものの、投資家の視点が説明されていることから、IFRS「国際統合報告フレームワーク 」と合わせて統合報告書作成に活用する企業は多い。他にも、SXの実現に向けて長期経営に求められる内容や、そのための企業と投資家等の建設的・実質的な対話の具体的な在り方について整理されている「伊藤レポート3.0(SX版伊藤レポート)」もあわせて参照することが期待される。ガイダンスを活用する場合は「ロゴマーク」を貼付することができ、2024年3月時点で、286の組織がロゴマークを活用している。Ⅳ. 参考情報価値協創ガイダンス【関連記事一覧】統合報告書を初めて作る方へ統合報告書で企業価値を最大化する:作成ガイドとおさえるべきポイント・最新情報統合報告に必要な、6つの統合思考原則国際統合報告フレームワークの改定ポイント統合報告書を作成するメリットWICIジャパン統合リポート・アウォード統合報告書におけるROICツリー掲載事例【最新2024年版】統合報告書・サステナビリティレポートでのコア・コンテンツ事例