公開日:2020.05.08
最終更新日:2026.09.29

ステークホルダー・エンゲージメントとは何ですか?

    企業が成長するには、ステークホルダーの期待や関心を把握し対応することが重要です。ステークホルダーの期待や関心を把握する方法が「ステークホルダー・エンゲージメント」です。

    ステークホルダーは「組織の活動、製品、サービスから著しい影響を受ける主体」などと定義されています。ステークホルダーには、お客様や従業員、株主・投資家などのほかにも、直接意見を表明できず代弁者(特定の集団を代表するNGOなど)を通じての対話が必要な主体も含まれます。

    そして、ステークホルダー・エンゲージメントには以下のような方法があります。直接対話もあれば、第三者機関などを通じた方法もあります。

    お客様

    相談窓口・サイト等での製品情報提供、顧客満足度調査、ショウルーム、セミナー開催

    地域コミュニティ

    地域貢献活動、工場見学の実施、環境モニタリング

    サプライヤー

    サプライヤー説明会、CSRアンケート、訪問による情報交換、調達ガイドラインの周知

    従業員

    社内報、従業員意識調査、内部通報システム、労働組合との協議

    株主

    株主総会、IR説明会、機関投資家訪問、統合報告書・株主通信の発行、IRサイトでの情報提供、株主向け見学会

    NGO等の組織

    意見交換・各種イベント


    すでにいくつか実施済みの企業がほとんどだと思われますが、どのような方法をとるにしても、以下の点が重要です。

    • ステークホルダーを特定し、重要なステークホルダーとエンゲージメントを実施すること

    • 計画的、継続的に実施し、懸念や関心事の変化を見逃さないようにすること

    • エンゲージメントによって特定された重要な課題や懸念事項に対して、適切に対処すること

    ステークホルダー・エンゲージメントは、事業活動の見直しはもちろんのこと、重要課題(マテリアリティ)の特定や、CSR活動計画の作成にも欠かせないプロセスだと言えます。
    活動の年次報告(CSRレポート、統合報告)のさまざまなフレームワークにおいても、ステークホルダー・エンゲージメントについて触れられています。そのため、まずはこういった情報開示のフレームワークなどを参考に、実施していくのが効率的です。


    (参考)主なフレームワークにおける関連項目(一部抜粋)

    GRIスタンダード

    GRI2:一般開示事項2021
    2-29 ステークホルダー・エンゲージメントへのアプローチ

    ISO26000

    5.3ステークホルダーの特定およびステークホルダーエンゲージメント
    5.3.1一般
    ステークホルダーの特定およびステークホルダーエンゲージメントは、組織の社会的責任の取組みの中心である。
    5.3.2ステークホルダーの特定
    ステークホルダーを特定するための自問
    ・組織は誰に対して法的義務があるのか
    ・バリューチェーンの中で影響をうけるのは誰か
    5.3.3ステークホルダーエンゲージメント
    ステークホルダーエンゲージメントを有意義なものにする可能性が高い要素
    ・エンゲージメントの明確な目的を理解している
    ・ステークホルダーの利害がはっきり特定されている

    国際統合報告フレームワーク

    3Cステークホルダーとの関係性
    3.10統合報告書は、組織と主要なステークホルダーとの関係性について、その性格および質に関する洞察を提供すると同時に、組織がステークホルダーの正当なニーズと関心をどのように、どの程度理解し、考慮し、対応しているかについての洞察を提供する。

    価値協創ガイダンス

    2.ビジネスモデル
    2.2.競争優位を確保するために不可欠な要素
    2.2.2.競争優位を支えるステークホルダーとの関係
    21.企業が競争優位を維持し、ビジネスモデルを実現するために、バリューチェーンにおける取引先、共同研究や共同事業を行うパートナー、顧客、地域社会、公的機関等、企業を取り巻く(外部の)ステークホルダー(利害関係者)と生産的な関係を築くことは不可欠な要素である。企業は、自社の価値観に基づいて、これらの関係性をどうあるべきと考え、それを戦略的に同構築しているのかを示すべきである。

    3.持続可能性・成長性
    3.2.主要なステークホルダーとの関係性の維持
    12.自らのビジネスモデルを持続させるためには、経営資源や無形資産の確保とともに、ステークホルダー等との関係正を維持、強化することが必要である。特に中長期的な視点にたてば、各ステークホルダーの利益相反を極小化して、相互に共有できる利益を拡大するビジネスモデルを設計することが、当該企業の社会的価値を盤石なものにする。

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