多様な人材の活躍が、企業の競争力につながることが明らかになっています。女性活躍推進法で、事業者に対し「女性の活躍に関する行動計画の策定と開示」が義務付けられ、経済団体連合会の「ダイバーシティ・インクルージョン社会の実現に向けて」という提言が公表されたことなどを背景に、「ダイバーシティ」や「ダイバーシティ・インクルージョン」を目標に掲げる企業が増えてきています。教育現場などでも使わる用語ですが、ビジネスにおいてはどのように使われているのでしょうか。ダイバーシティとは「多様性」という意味で、人種や国籍、性的指向・性自認、外見、年齢、性別、性格、学歴、働き方、宗教、価値観など、異なる属性の多種多様な人材が認め合う状態を指す場合などに使われます。インクルージョンとは「包括・包含」という意味で、一人ひとりの経験や能力が認められ、適所に活かされ、仕事に参画する機会が平等に与えられている状態を指す場合などに使われます。出典:米国の“今”に学ぶ「インクルージョン」の本質(リクルートワークス研究所)「ダイバーシティ」だけで「インクルージョン」がない組織は、人材が変化に富んでいるがゆえに、時には価値観の相違や文化的摩擦が弊害となり、結果的に個人の能力を最大限に発揮できない可能性があるともいえます。しかし、「多様な人材の活躍推進」などと言われた場合、「ダイバーシティ」に「インクルージョン」の意味を込めて使用していることもあります。まずは方針や目標を掲げることも重要ですが、それだけでなく、一人ひとりの個性を尊重しあい、それを活かせる環境を提供していくことが大切です。【参考リンク】厚生労働省「女性活躍推進法特集ページ」経済団体連合会「ダイバーシティ・インクルージョン社会の実現に向けて」リクルートワークス研究所「米国の“今”に学ぶ「インクルージョン」の本質」【関連記事】DE&Iの「E」とは何ですか?